ELAC Debut ConneX DCB41レビュー&空気録音&測定

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皆様こんにちは、Onsite Audio しけもくです。
今回はELAC Debut ConneX DCB41をレビューします。2023年5月12日に発売された製品で、発売時点では新品実売81,300円ほどのアクティブスピーカーです。この記事では仕様の説明や音質レビュー、空気録音動画のご紹介や測定結果の解説を行います。

それではまず結論です。

結論

HDMIやレコード対応の豊富な機能性、横幅140mmというコンパクトなサイズ感、10万円以下の価格にオールインワンアンプでシンプルに使えるという、ほぼ全部盛りの素晴らしい仕様にも関わらず、音は本格的なオーディオ音質です。価格を考えると多くの方が満足されるクオリティだと思います。
総合力がとても高いアクティブスピーカーで、リビングオーディオや書斎PCオーディオなど様々なシーンで利用しやすく、オーディオはじめの1台としても適した製品です。とてもオススメできます。

仕様・サイズ・価格・シンプルさ・音質と、オーディオを気軽に楽しむための要素が噛み合っており、非常に総合力の高いスピーカーです。ELAC Americaの開発力の高さが伺えます。

2023年5月現在の実売価格は81,300円で、使えるシーン・マッチするシーンの幅広さを考えるととても魅力的なプライスだと思います。オーディオにご興味ない方にとっても、リビングオーディオの高音質化の第一選択肢になりうる製品だと思います。

それでは宣伝を挟んで詳細に入ります。

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Onsite Audioでは、製品名を実際にご自宅でレンタル試聴頂き、気に入って頂けましたらそのままご購入頂くことができるサービスを提供しています。

ELAC Debut ConneX DCB41の商品ページはこちら

レンタル期間は2週間で7,810円、販売価格は81,300円です。レンタルも販売も価格は最安値かと思います。気になられた方は是非ご利用ください!

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ELAC DCB41 特徴

それではまずは技術面を含む特徴について簡単にご紹介いたします。

ELAC DCB41 特徴

  1. HDMIも搭載する豊富な入力端子で様々なシーンに対応可能
  2. コンパクトなサイズ感
  3. 効きの良くスケール感あるXBass機能

それぞれについて簡単に見ていきます。

HDMIも搭載する豊富な入力端子で様々なシーンに対応可能

最大の特徴であり魅力はHDMIも搭載する豊富な入力端子で、様々なシーンに対応できることでしょう。

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アナログは1系統でLINE INとPHONOの切り替えが可能。PHONOに対応するアクティブスピーカーも多くはありませんから貴重だと思います。

デジタルは4系統、USB、光デジタル、Bluetooth、そしてHDMIです。

最大の特徴であるHDMIはARC/eARC対応のTVと接続することで、TVリモコンと連動した操作が可能です。これは非常に便利なのですが、アクティブスピーカーでHDMI端子を搭載する機種は少なく、搭載していても高価な製品がほとんどです。

このDCB41は、10万円以下と手の届く価格でありながら、HDMIを搭載したオールインワンのアクティブスピーカーであることが最大の特徴であり魅力だと思います。
USBも搭載するため、書斎でのPCオーディオやリビングオーディオにこれ1台で対応することができます。

コンパクトなサイズ感

外形寸法は140W×245H×203Dmmと非常にコンパクトです。これは先ほど申し上げたように、様々なシーンで利用できるという点においても、設置場所を選ばないため有利です。

一般的にサイズが小さいと低域に無理が出ますが、次に書くXBass搭載により、サイズ以上の低域を奏でてくれます。

効きの良くスケール感あるXBass機能

XBassという低域の量感をアップさせる機能がついています。測定で測った感じでは、250Hz以下あたりを2-3db持ち上げているようです。
XBassの効きはかなりよく、空気録音でもお聴きいただけますがサイズとしては十分以上の低域の量感を感じることができます。映像でも効果を感じたため、常時ONでも良さそうです。

コンパクトなサイズ感とXBassによる低域の量感は大きな魅力だと思います。

DCB41 試聴レビュー

それではここからは実際に試聴してのレビューをお届けします。ソースは10曲ほどを視聴しました。インプットはUSB、HDMIがメインでアナログは音出し確認を行った程度です。
空気録音をお聴きになりたい方は下記のYouTubeをご覧ください。

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 DCB41の音質傾向

全体的に音は柔らめでフラット傾向の印象です。くっきりとした音で主張してくる音像系ではなく、ステージが広く情報量のある音場系の音色と言えるでしょう。
これはELAC Americaの系譜を感じる音で、DBRやUBRと似た傾向です。嫌いな人は少ない音質傾向だと思います。

高域は価格を考えると情報量は多いと言えると思います。高域の細かな音までしっかりと再生してくれます。質感としては柔らかめな質感でソフトドームであることが関係しているかもしれません。量感と情報量はありますが刺激感や刺さる感じはありません。

中域の声の位置表現や質感は自然です。艶感をしっかり乗せたりぐいぐい声を前に出してくるタイプではないため派手さは感じませんが、脚色の少ない自然な声の質感で嫌いな方は少ないように思います。
なおTVで再生した時のセリフの聞き取りはし易いです。刺激感の少なさもTVなどでの長期間の利用で耳の疲れがあまり出ないようにという考慮があるのかもしれません。

低域の量感はサイズを考えると十分です。空気録音をお聴きいただければおわかりいただけると思うのですが、量感はかなりあります。XBassの貢献も大きく、このサイズでこの低域の量感は十分と言えると思います。
ただしカタログスペック下限の50Hz以下、最低域はさすがにやや弱いです。価格とサイズを考えると難しいのは当然なのですが、床が震えるような低域がほしい場合はサブウーファを導入するのが良いでしょう(サブウーファ端子がついています)

定位と前後感は良好です。強調されるような前後感ではありますが、音の位置関係をしっかりと捉えることができる定位感です。オーディオの醍醐味を十分に味わっていただくことができますし、映像でも声が浮き出る感じをある程度楽しんでいただくことができます。

音場はサイズを考えると広いです。これが音質面での特徴的な点だと思います。サイズを考えると広く自然な音場表現、スケール感は、15畳など広めな部屋に設置しても負けにくいと思われます。もちろん6畳などの書斎でも広い音場を楽しむことができます。ELAC Americaなのでおそらく測定値はよさそうですが(自分で測った感じでも予想できます)、その測定値の良さはこの音場の広さに還元されているのではと想像します。

総評としては、機能性・サイズ・価格・オールインワンであることを踏まえると、非常に頑張っている優れた音質ではないかと思います。柔らかめでフラット傾向な音質のため「ここが特徴!」と言いにくくはあるのですが、だからこそ苦手な方の少ない誰にでも好まれやすい音質だと思います。これはHDMIを利用したリビングユースでは大きなメリットになりうると思います。

 DCB41の気になる点

まず、USB接続での無音時に微妙にノイズが乗る瞬間があること、また異なるサンプルレートの曲を聴く際に曲頭の音量が小さくなる現象があります。これは、例えばアルバムを通して聴く、などでは問題にならないため多くのケースでは問題ないかと思いますが、異なるビットレートの曲が混在するプレイリスト形式で聴く場合には気になるかもしれません。

ただし、曲頭が小さくなる問題は、ソフトウェアによっては発生しない場合もありました。Roon+USBでは発生しますが、Roon+HQPlayer+USBでは発生しない場合もありました。発生条件は明確にはわかっていませんが、起きうる(けどそこまで問題ないケースもある)というのはご認識いただいてよいかもしれません。

また、これは完全にわがままというか無いものねだりなのですが、ここまで素晴らしい仕様で音質ならば、Spotifyなどのネットワーク再生が搭載されていれば完璧だったな・・・と思ってしまいます。
リビングユースで、普段はHDMIでTVを、音楽を楽しみたいときはストリーミングを、夜中静かにお酒を傾けながらレコードを、という素敵な音楽ライフをどうしても想像していまいます。

ただ、Bluetoothに対応しているため、スマートフォンとBluetoothで接続しスマートフォンでストリーミングを再生することでストリーミングの再生は実現できます。なので、十分に対応可能であります。
とは言えネイティブ対応していると便利な部分はあるため、ないものねだりではありますが夢想してしまいます。

DCB41 測定結果

それでは最後に測定結果を見ていきましょう。

なお、ここでご紹介する測定方法は、規格に則った正規・正確な測定方法ではありません。あくまでも弊社環境での測定であり、参考値にすぎないことを予めご了承ください。
またこれらの測定結果は音の一指標にすぎず、必ずしも音質の良し悪しを語るものでは無いという点も予めご理解ください。

測定条件は、ツイーターより5cm中心軸上とベースドライバー5cm中心軸上で、Room EQ Wizard(REW)の測定機能により近接測定しています。測定マイクはREW推奨のUMIK-1を用いています。

DCB41 周波数特性について

まずはツイーターとウーファーの軸上5cmで測ったそれぞれの測定結果です。XBassはONの状態で測定しています(削除してしまったため出せませんが、XBassを切り替えることで50-250Hzあたりの帯域が2-3dbほど変化します)

クロスオーバーは公表されていないようですが、上記を見る限り、おそらく1600Hz-1800Hzあたりで設定されていそうです。一般的なブックシェルフスピーカーでは2500Hzあたりの設定が多いように思いますので、ツイーター側の担当帯域はそれなりに広いと言えるかもしれません。

その上で、低域はしっかりと出ており、また高域も10kHz以上の倍音成分が出ています。高域の情報量の多さ、そして低域の量感が測定からもわかるのではないでしょうか。

次に、1600Hzで波形合成した周波数グラフを見てみます。あくまでもただ合成しただけのグラフのため、参考程度にご覧ください。また上記グラフとY軸の単位が異なることもご留意ください。

あくまでも参考までですが、100Hzから4kHzあたりまでのフラットなように思えます。その上で高域の倍音成分が多めに出るような音色でしょうか。実際に1m距離での測定も行いましたが、ある程度これに近い測定結果になるため、そこまで大きく外れてはいないかもしれません。

終わりに

ここまでご覧頂きましてありがとうございました。

総評の通り、機能性が高く、サイズ感はコンパクトで、8万円台と現実的な価格なオールインワンのアクティブスピーカーでありながら、しっかり本格派な多くの方が好ましいと思っていただけるような音質で、とても総合力の高い製品だと思いました。

アクティブスピーカーでオールインワンというのはシンプルで使いやすく、HDMI搭載であることからリビングオーディオに採用しやすいと思います。オーディオにご興味ない方でも「リビングのTVの音質を良くしたい!」というニーズにとてもマッチする製品だと思います。私としては多くの方にオススメしたい良い商品だと思います。

最後になりますが、弊ショップOnsite Audioは「自宅で試聴 そのまま購入」をコンセプトに、2週間のレンタル提供からそのままご購入頂けるサービスを提供しています。DCB41も用意がございますのでご興味持たれた方は是非ご自宅でご体験ください!

ELAC DCB41の商品ページはこちら

それでは皆様、良きオーディオライフを!

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